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モジュール化されたスケーラブルで再構成可能なニューラルネットワーク・エッジAI推論IP
EdgeCortix Dynamic Neural Accelerator (DNA)は、コンピュータユニット間の接続をランタイムで再構成できる柔軟なニューラルアクセラレータIPコアで、動的なグループ化により優れた並列性と効率性を実現します。1つのコアは1024MACから32768MACまで拡張でき、最大1GHzのクロックで動作します。コンフィギュレーションはEdgeCortix MERAコンパイラ&ソフトウェアフレームワークで行います。
DNA IPは、どのように様々な次元でパフォーマンスを発揮するのか
多くのAI推論アクセラレータは、コンピュータユニットが完全に並列化された状態で、高いTOPSを実現します。しかし、実世界のAIモデルをハードウェアにマッピングすると、ニューラルネットワーク層間の並列度が下がり、稼働率が40%以下にまで低下します。この非効率性が原因で、設計者は柔軟性、サイズ、消費電力においてコスト負担を強いられてきました。
しかし、EdgeCortixでは、特許取得済みの技術を用い、DNA IP実行ユニット間のデータパスを再構成することで、より優れた並列性を実現し、オンチップメモリの帯域幅を削減することに成功しました。そして、MERAソフトウェアは、同じDNA IPコアで複数のモデルが動作している場合でも、ニューラルネットワークのタスクのスケジューリングにおいて、計算順序とリソース割り当てを最適化できます。
その結果として、性能が向上します。DNA IPは、負担がかかっても80%以上の効率性を維持します。これは、従来のGPUベースのハードウェアと比較して、16倍以上の推論/秒/Wを実現します。リアルタイムアプリケーションにおいて、決断を下すのに不可欠なレイテンシに関しては、再構成されたデータパスと最適化されたスケジューリングにより、4ミリ秒未満に抑えることができます。
DNA IPは、ハードウェアに最適化されたソリューションにおいて、
より高い柔軟性を実現します
シングルモデルのベンチマークは、比較が容易です。しかし、実世界ではパイプライン処理において、異なるモデルが異なるタスクを処理する車載センシングのような、マルチモデルが出現しています。
DNA IPとMERAソフトウェアの組み合わせは、ハードウェアが一部の一般的なニューラルネットワークモデルにのみ最適化されているわけではないため、幅広いモデルをより効率的に動作させることができます。
DNA IPの内部には3種類の異なる実行ユニットがあり、それぞれがINT32アキュムレータによるINT8乗算・積算演算をサポートしています。
- 標準的な畳み込みエンジンは、3x3から64x64までの拡張可能なシストリックアレイを使用し、データパス機能を最適化
- Depthwise方向の畳み込みエンジンは、2Dアプローチを取ることで、3Dカーネルを2Dスライスに分解し、最適化されたインターコネクトが使用可能
- 独立したベクトルユニットは、カメラベースのビジョンシステムで一般的な操作である、ニューラルネットワークの活性化やスケーリングなどのタスクにおいて力を発揮
開発者はどのようにDNA IPを試せるのか
BittWare社製 FPGAカードに搭載された推論パッケージ
DNA IPコアは、FPGAまたはSoC設計のいずれにも柔軟に対応します。EdgeCortixは、BittWare社と共同で、高性能なIntel® Agilex™ FPGAを搭載したBittWare IA-840F およびIA-420Fカード用に、すぐに使用可能なビットストリームを含むDNA IPコアの推論パッケージを開発しました。
DNA IPとMERAを使った開発
EdgeCortix MERAは、DNA IPを使用した、ディープニューラルネットワークのグラフコンパイルとAI推論を可能にするために必要なコンパイラおよびソフトウェアフレームワークです。オープンソースのApache TVMコンパイラフレームワークのサポートを内蔵し、事前に学習されたディープニューラルネットワークのビットストリームをDNA IPにデプロイするために必要なツール、API、コードジェネレータ、ランタイムを提供します。MERAは、PyTorch、TensorFlow、TensorFlow Lite、,ONNXなどのツールを使ったモデル開発ワークフローをサポートしています。
「エッジでの情報処理における大きな変化を考慮すると、企業は今、データキュレーションとAIによる意思決定が一緒に行えるクラウドレベルに近いパフォーマンスを求めています。このような背景から、省電力でコストパフォーマンスの高いインテリジェントなソリューションを必要とするさまざまな分野の実用的なビジネスニーズが高まり、EdgeCortixのソリューションセットの市場機会はますます広がっています。データとデバイスの両方が世界的に急激に増加していることを考えると、既存のソリューションよりも桁外れに優れたエネルギー効率と低い総所有コストでパフォーマンスを実現できる業界をリードするIPポートフォリオを持ち、エッジAI市場に革新を起こしているEdgeCortixを今後サポートしていきたいと思います。」
ソフトバンクの先端技術研究所 所長である湧川隆次氏は、次のように述べています。「ネットワークインフラの性能向上と省電力化は、将来にかけて大きな課題です。EdgeCortixは、これらの課題を同時に解決するために必要なIPと技術に関する専門知識の両方を提供するパートナーとして期待しています。私たちは、今後も質が高いネットワークを提供するため、EdgeCortixと協力して、さらなる性能向上と省電力を実現する最適なアクセラレーターの研究を進めていきます」
「EdgeCortixは、市場において実にユニークなポジションにあります。主要な産業分野でAIアクセラレーションを活用した大規模なビジネスニーズに対応していることに加え、市場参入のためのソリューションをどのように開発するかというそのビジネス戦略が、大きな差別化要因となっています。半導体企業は少し近視眼的傾向があり、ほとんどの企業は、いかに素晴らしいソフトウエアのコードを提供するか、または、半導体のハード設計に注力しているかのどちらかです。しかし、EdgeCortixの特徴は、ソフトウェアとハードウェアIPの協調設計を行い、顧客のニーズに応じたソリューションを提供するというアプローチにあります。ソフトウェア中心のハードウェア・エコシステムで提供するこのアプローチこそが、同社の成長のキーであり、AIアクセラレーションの分野では他に類を見ない企業です。」
シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム エグゼクティブ・コミッティ・メンバー
「業界全体において、AI/機械学習のワークロードがかつてないほど増加する中、業界を牽引するIPプロバイダであるEdgeCortixと共に提供するソリューションは、当社のIntel Agilex FPGAベースの製品ポートフォリオを完全なものにします。当社の顧客は、現在だけでなく、将来の様々なビジネスニーズにおいて、リスクやコストを下げながら、パフォーマンスを向上させることができるという高い水準のAI推論ソリューションを求めていました。」
「多くのお客様がAI技術を含むアプリケーションソフトウェアを実装することが予想される ため、RZ/V MPUシリーズにMERAコンパイラと関連ツールセットを追加することに価値が あることをすぐに認識しました。お客様のニーズを満たすためにイノベーションを推進する 当社では、EdgeCortixと協力し、堅牢で高性能かつ柔軟なAI推論ソリューションを迅速にお 客様に提供します。EdgeCortixは素晴らしいパートナーであり、継続的な関係を築くこと で、我々とエンドユーザーに大きな価値をもたらすであろう今後の機会と可能性に期待して います。」