EdgeCortixは、ソフトウェアを第一に考えつつ、人工知能(AI)に特化したプロセッサ・アーキテクチャを一から設計するという斬新な考えのもと、2019年7月に設立されました。EdgeCortixのコアミッションは、現行世代のAIソフトウェアやディープニューラルネットワークと、CPUやGPUなどの既製のハードウェアプロセッサとの間で生じる根本的なミスマッチを克服することです。

「あらゆる形態のエッジデバイスにクラウドレベルに近い性能をもたらし、運用コストを劇的に削減しながら、桁外れに優れたエネルギー効率と処理速度を実現する」
私たちはこのミッションを念頭に置き、Dynamic Neural Accelerator IP (DNA IP) を開発しました。DNA IPは、今日のニューラル・ネットワークと、これらのネットワークをシームレスに処理するための基礎となるドメイン固有のハードウェアを緊密に連携させる役割を果たします。「技術力・強力なチームワーク・顧客ファースト」という強みを活かして、効率的なエッジインテリジェンスに焦点を当てた省電力のAIシステムソフトウェアとプロセッサIP設計に特化した世界有数のファブレス半導体設計企業に成長することを目指します。
Edge AI推論技術を再考する
EdgeCortixでは、ソフトウェアの柔軟性と堅牢性を第一に考え、プロセッサ(ハードウェア)アーキテクチャを設計しています。この考えに基づいた設計方法を当社では「ハードウェアとソフトウェアの協調設計」と呼びます。これは過去数十年間、プロセッサ設計が、新しいハードウェアチップを最初に市場に投入することに注力し、コンパイラを含むソフトウェアを後回しにしてきた考え方とは対照的です。
私たちは、高度なコンピュータビジョンアプリケーションを最初にターゲットとし、FPGAやカスタム設計のASICなどの既存のプロセッサ上で独自のハードウェアおよびソフトウェアIPを使用して、エッジでのAI推論を加速するという、いくつかのアプリケーションセグメントにおいて急速に高まるニーズに対し、積極的に応えることに邁進していきます。
シリコン上にビジョンを実現
エネルギー効率の高いエッジAIコプロセッサ「SAKURA-I」は、DNA IPをASICに実装した最初のEdgeCortixの製品です。従来のGPUベースのハードウェアと比較すると「SAKURA-I」は設計者にとって大きな利点をもたらします。
- 10倍の速度
- 20倍以上のエネルギー効率
- 高精度
- ランタイムで再構成可能
- 高いスケーラビリティ
重要なアプリケーションセグメントでAI推論を実現
EdgeCortixのDNA IPアーキテクチャおよび業界初のAIハードウェアとソフトウェアの協調探索エンジンで、コスト・消費電力・サイズを大幅に削減しながらも、エッジデバイスに特化したAIアクセラレータ設計をリアルタイムで動作するように最適化させることができます。これらのコア機能は、自動車、スマートシティ、防衛、航空宇宙、ロボット工学、インダストリー4.0等を含むさまざまな分野のアプリケーションに対応します。
当社のソフトウェアスタックは、標準的なディープラーニング開発環境をシームレスに統合できるようになっており、一度モデルを最適化すれば、当社のAI専用アクセラレータだけでなく、インテル社のx86アーキテクチャ、Nvidia社の GPU、Arm社のCPUなどの既存のプラットフォーム上で柔軟に展開することが可能になります。これにより、スムーズなワークフローが実現し、多くのアプリケーションで効率的に深層学習を行うためのソリューションの開発が容易になります。
より優れたエッジAIハードウェア・IP・ソフトウェア技術が必要とされる時代が到来
「多くのお客様がAI技術を含むアプリケーションソフトウェアを実装することが予想される ため、RZ/V MPUシリーズにMERAコンパイラと関連ツールセットを追加することに価値が あることをすぐに認識しました。お客様のニーズを満たすためにイノベーションを推進する 当社では、EdgeCortixと協力し、堅牢で高性能かつ柔軟なAI推論ソリューションを迅速にお 客様に提供します。EdgeCortixは素晴らしいパートナーであり、継続的な関係を築くこと で、我々とエンドユーザーに大きな価値をもたらすであろう今後の機会と可能性に期待して います。」